とがめも

巨人の肩に立つ。民間病院の看護師、大学院生。すぐ忘れるので、学習置き場として

認知機能障害と心不全、イタリアカンパーニュ地方における大規模観察研究

認知機能障害と心不全について、改めて文献レビューを行ったので、その一部を振り返り。

f:id:shintarotogashi:20171219082230p:plain

JAGS 46:1343-1348,1998

Journal of American Geriatric Society

IF4.38

 

【要約】

Setting:南イタリアにあるカンパーニュ地方

D:横断研究

P:地域住民及1075名、73.9±6.2歳、女性55.3%

E:Present of CHF群は

C:Absent of CHF群を比較すると、

O:認知機能障害の有病率が高かった(56.8% vs 20.0%,p<0.001)。

f:id:shintarotogashi:20171219082800p:plain

 

 

【結果】

①有病率について、心不全8.2%、認知機能障害23.0%であった。

f:id:shintarotogashi:20171219084208p:plain

 

②認知機能障害群は、非認知機能書具合群と比較して、心不全の有病率が多かった(20.2% vs 4.6%, p<0.001)。

f:id:shintarotogashi:20171219083001p:plain

 

心不全群は、非心不全群と比較して、認知機能障害の有病率が高かった(56.8% vs 20.0%, p<0.001)

f:id:shintarotogashi:20171219082800p:plain

心不全があると、認知機能障害発症リスクを1.96倍促進させる(OR1.96, 95%CI:1.07-3.58)。

教育レベルが良いと、認知機能障害発症リスクを0.45倍低減させる(OR0.45, 95%CI:0.39-0.51, p<0.001)。

 

 

【感想】

①20年前の論文だけど、日本の教育は、海外と比較して、保証されているんだなと感じた。今回の論文の平均的な教育レベルが3.4±1.7と衝撃的だった。

3.4は、公的教育機関に通学経験はないが読み書きできるレベル〜日本で言う小学教育レベル。

f:id:shintarotogashi:20171219084307p:plain

②PresentとAbsentの訳がわからない。たぶん、心不全のステージの違い?AHA/ACC分類のステージBorCってことか?

③多変量解析、重回帰分析結果を、参考書を読みながら、解釈できるようになってきたように感じる。日々訓練ですね。