とがめも

巨人の肩に立つ。民間病院の看護師、大学院生。すぐ忘れるので、学習置き場として

ICU看護師の職務負担軽減のための多様式研修に関するRCT、JAMA2018

ICU看護師の職務負担に対する多様式研修が有用であったという2018年の多施設RCT
JAMA(J Am Med Assoc). IF47.6

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

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結果は、
D:8施設RCT
P:フランスICU看護師198名(少なくとも6ヶ月のICU経験者)を対象として、
I:2週間で5日間研修を行った群は、
C:記載なし(参加しない群?)と比較して、
O:
6ヶ月時点での職務負担あり割合が54%低下した(13% vs 67%, mean defference:54, 95%CI[40-64],p<0.001)
欠勤割合が7%低減した(mean defference:7%, 95%CI[1-15%])

 

少し詳しく読むと、
・割付について
施設からの研修参加者抽出は、Chief nurseが行っている?
PCによる1:1比のブロックランダム割付(ブロックサイズ4-8)
盲検化ではない、個人レベルでのランダム化ではない

・介入について、
内容は、
ICU看護師がストレスを感じる状況対処(CPA、呼吸不全、終末期)、
②組織に関連するストレス対処(座学、ロールプレイ、職務負荷分布?)
③職務状況(コミュニケーション欠如、自律性欠如、違和感を感じること)
期間は、1週目連続3日間、2週目連続2日間
費用は、5日間の研修費€2000(約26万!?(124円/ユーロ))
研修デザインは、developed by a team at the simulation center of the Faculty of Medicine and Health Sciences, AixMarseille University, which comprises physicians and qualified nurses (each held a degree in simulation teaching)。

 

詳細をSupplementalを確認したところ、 呼吸不全、循環不全、脳神経障害の座学とシミュレーション(特にデブリーフィングに力を入れたスケジュール)であった。

 

 

・データ収集
2人の訓練された看護師調査者が一貫した方法で3時点で収集した
①介入前時点、②6か月時点、③12ヶ月時点

職務負担評価は自記無記名質問紙、調査IDで識別した。
主要評価項目は①JCQの職務負担あり
①Job Content Questionnaire(JCQ):26項目、4件法
スコア幅(職務負担閾値)、psychological demand: 19-25(≧21)、decision latitude:59-81(≧72)
同質問紙によるフランス労働者24,000人の調査結果では、職務負担あり率は23%

日本語版もありますね。JCQについて


②psychosocial factors at work (Copenhagen Psychosocial Questionnaire(COPSOQ):46項目、9件法?
スコア幅、0-100。高スコアが良好な結果
フランス調査結果では、52±20点。


・サンプルサイズ推定が主要評価項目に準じて行われている。


・統計解析について
ITT解析(割付に基づく解析)であり、中間解析も計画され、解析計画はSupplementとして提出されている。
モニタリング組織の記載あり。
主要評価項目解析は、6か月時点のJCQ職務負担あり割合をχ2検定
副次評価項目解析は、JCQ・COPSOQ総スコア、JCQサブスコアををMann-Whitteney検定
それぞれの多変量解析は、ロジスティック回帰モデルを用いて、調整因子はベースライン特性で有意差を認めたものを設定した。
感度分析も計画されている。
施設間による効果に関する感度分析は、GLIMMIX(?)を用いて混合モデルを用いた。