注目されているCaregiverに対する指導による、再入院抑制
認知機能障害についての学習が面白くなってきました。
文献レビューの際に読んだ面白かった内容を紹介します。
高齢者に対する認知機能障害と再入院率、患者および家族やCaregiverに対する教育の効果についての検討です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27676328
【雑誌情報】
Journal of american geriatric society
IF=4.8
【要約】
D:1年間の前向きコホート研究
S:心血管疾患に集中した三次救急医療で、退院に関する個別指導を行っている
P:70歳以上の退院前にスクリーニングされた患者において、
C:121名の心不全患者(78.9±4.8歳、男性63%)は、
O:120名の非心不全患者(78.2±5.6歳、男性57%)と比較して、
O:認知機能障害(Mini-Cog<4)の有病率は、似た傾向であった(67.7% vs. 62.5%)。
認知機能障害を有する心不全患者は、その他の群と比較して30日間での再入院率が高かった(26.8% vs 13.2%;P=0.01; HF and noCI, 12.8%;noHF and noCI, 13.3%;noHF and CI)。
認知機能障害を有する心不全患者において、Caregiverへの退院指導を行った場合、他の群と比較して再入院率が低下した(14.3% vs 36.2%, P=0.03)
医師の診療録への認知機能障害に関する記録があったのは、9%以下であった。
Mini-Cogとは?
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/pdf/tool_01.pdf
【感想】
認知機能障害を有する心不全患者に対する、Caregiverへの退院指導の再入院抑制の効果についての調査結果でした。
最近注目されているCaregiverへの介入。
日頃気にかけていることだが、検証されていたとは。
方法の部分には、認知機能障害を有する心不全患者に対してCaregiverへの指導を行ったと記載されているのに、なんだか結果は指導していない患者との比較?
なんだか疑問の残る内容でした。