心不全を有する患者に対する必須アミノ酸によるRCT2008年
第21回日本心不全学会学術集会at秋田に参加した際に、紹介されていた論文を読んだので、振り返り。
心不全栄養の論文。
【Jounalの情報】
European Jounal of Heart Failure
IF:6.98
【タイトル】
『慢性心不全を有する、筋肉量の少ない[上腕筋面積(AMA)<10%]高齢入院患者における、十分なエネルギー蛋白摂取(Energy>30kcal/kg、Protein>1.1g/kg)は、栄養状態と代謝の改善するためには、不十分である。』
【要約】
必須アミノ酸2ヶ月のRCT効果検証
デザイン:RCT、No PROBE法
期間:2ヶ月
P:イタリアの筋力低下の著しい(%AMA<10)高齢心不全患者38名(平均年齢:73.5±4歳、男性75.6%、BMI22.5±1.4kg/mm[幅22-25]、NYHAⅡ-Ⅲ)
E:必須アミノ酸サプリメント(8g/日)+十分な食事摂取(エネルギー>30kcal/㎏、タンパク質>1.1g/kg)
C:十分な食事摂取(エネルギー>30kcal/㎏、タンパク質>1.1g/kg)
O:①1kg以上の体重増加が50%多かった(80%[+2.96±1.56kg] vs. 30%(+2.3±0.8kg)それぞれ前後比較で有意差あり)。
②群間比較及び前後比較で自転車エルゴのエンドポイントでの仕事量が増加した。peakVO2が増加した。6MDが延長した。血清ラクテートが減少した。
【感想】
1)タイトルにRCTと記載されるべきでは?
2)心不全関係で多く読まれている雑誌がわかった。IF:5〜10が多い。
3)栄養サプリメント(必須アミノ酸)8g/日で、体重増加が増えた点はなんとなくわかるが、運動耐容能・6MDが改善した点は、読み込む必要がありそう。
4)Lactateの低下が、代謝指標として考察されているが、僕の知識不足。生理学の勉強が必要と考える。